施政方針並びに施策の大綱

 
 
令和8年度 施政方針並びに施策の大綱(PDF 468KB)

 

 国は、「強い経済を実現する総合経済対策」におきまして、「生活の安全保障・物価高への対応」、「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」、「防衛力と外交力の強化」を3つの柱とし、責任ある積極財政の下、危機管理投資と成長投資を進め、暮らしの安全・安心を確保するとともに、雇用と所得を増やし強い経済を実現させ、経済成長の果実を広く国民に行き渡らせ、誰もが豊かさを実感し、未来への不安が希望に変わり、安心できる社会を目指しております。

 また、令和7年12月に新たな「地方創生に関する総合戦略」が示され、令和8年夏頃までに強い経済の実現に力点を置いた施策を取りまとめ、国全体の戦略として「地域未来戦略」を策定することとしております。

 本町におきましては、「第3期岩美町地域創生総合戦略」を策定し、引き続き人口減少と少子高齢化対策を目的とした様々な取組を行っているところですが、国の施策の動向を注視しながら見直しを行い、併せて、「第11次岩美町総合計画」の基本計画の見直しも進めます。

 令和8年度の町政を進めるにあたり、課題ごとの施策の大綱について申し上げます。


○子育て支援について

 本年秋の開所を目指し事業を進めております児童センター(仮称)は、こどもたちの屋内での遊び・交流の場としての「こどもの居場所」となり、子育ての相談窓口と地域のコミュニティ機能も併せた複合施設として整備します。

 保育所、放課後児童クラブでは待機児童「ゼロ」の継続や病児・病後児保育の利用料の軽減を行い、子育てをサポートするとともに、保育所等に通っていない生後6月から満3歳未満の乳幼児が保育を体験できる新たな事業として乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)を大岩保育所で4月から実施し、家庭では得られない保育所での様々な経験を通して、こどもの成長と育ちを応援する体制を整えます。

 また、不育・不妊検査につきましては、令和8年度から自己負担なしで検査を受けていただけるよう支援を拡充するとともに、乳児用のおむつ及びチャイルドシート等の購入費助成を継続し、こどもを安心して産み育てることができるよう、切れ目のない子育て支援施策・子育て環境の充実に取り組みます。

 

○教育について

 外国語指導助手(ALT)を活用し、小中学校、地域で英語や異国の文化に触れる機会をつくり、英語に慣れ親しみ、自然に受け入れる環境づくりに取り組みます。また、次代を担う中高生が、海外で異文化体験を通じて、広い視野と見識を高め、国際的な対応が可能となる人材の育成を目的とした、事業の実施に向けた準備を進めます。

 だれ一人取り残されない学びの保障のため、学校に通うことが困難な児童・生徒への支援として、教育支援センター「くすのき教室」の体制強化や、フリースクールの授業料や交通費の助成の拡充にも取り組み、個別の事情に寄り添った支援を進め、「まちづくりは人づくり」の理念のもと、子どもたちがこれからの社会を力強く歩んでいけるよう、更なる教育の充実に努めます。

 加えて、奨学金制度に入学支度金の貸付制度を設け、経済的な理由で進学を諦めることがないよう支援します。 

 また、大学等卒業後に岩美町に帰ってきて住み続けていただけるよう、Uターン者の奨学金の返還助成制度を創設します。

 人権教育につきましては、性別に関わりなく個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会実現に向け、「第2次いわみ虹色プラン~岩美町男女共同参画計画~」を基に男女共同社会の更なる推進に努めます。

 

○医療・健康対策について

 岩美病院は保健・医療・介護・福祉と連携した地域包括ケアシステムの拠点として、町民の皆様が健康に暮らしていくことが出来るよう、引き続き地域医療を守ります。

 引き続き岩美病院経営強化プランの目標達成に向けて、業務の効率化と改革に取り組み、病院の健全経営に努めます。

 また、岩美病院では4月から院外処方へ移行いたします。利用者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解いただきますようお願いします。

健康対策につきましては、本年度は町民の皆様の健康づくりの指針となる「岩美町健康づくり計画」の中間評価年及び「岩美町食育推進計画」の最終年となっております。昨年、実施しましたアンケート結果をもとに、町民の皆様の健康に関する現状と課題を把握し、新たな健康づくりの施策に反映するとともに、第2次岩美町食育推進計画を策定します。

 また、18歳から39歳までの男女を対象に、ご自身の現在の健康状態を確認し、結婚、妊娠、出産といった将来設計を持ち、日々の健康を考えていただく取り組みとして、無料の「プレコンセプションケア健診」を実施します。

 

○福祉について

 高齢化・障がい・生活困窮など、様々な問題を抱える世帯が年々増加しております。複雑・複合化した問題に対応するため、その分野ごとに分かれていた従来の支援体制を見直し、様々な相談を包括的に受け止める重層的な支援体制を構築し、「相談支援」や「地域づくり支援」を一体的に実施しますとともに、関係機関や地域団体との連携を強化し、包括的な支援を推進します。

 また、団塊の世代が後期高齢者となり、本町の高齢化率は約40%、後期高齢者の割合は約20%となっております。

 今後も高齢化が進み、独居高齢者世帯が増えることが想定されることから、安心して地域で暮らしていただけるよう、見守り機器等を利用される方への補助制度を創設します。

 

〇防災・減災対策について

 本年1月6日に島根県東部で発生した地震では、県内中西部の市町村で震度5以上が観測され、住家の一部破損、断水や濁水などの被害が発生しました。幸いにも、本町におきましては、この地震による被害は確認されませんでしたが、住家の被害が多かった南部町に派遣した職員から現地状況の報告を受け、日頃の備えの重要性について、再認識したところであります。

 災害に対する備えとしまして、避難所でも健康に過ごしていただくため、衛生環境の維持向上に必要となる空気清浄機と簡易ベッドの整備を進めますとともに、自助による防災対策の支援としまして、災害時の家庭用持ち出し用品への助成やLINE公式アカウントを活用した防災情報の発信強化に努めます。また、新たに耐震性のない住宅の除却に対し助成を行いますとともに、耐震改修等への助成を引き続き行います。

 周囲に悪影響を及ぼす恐れのある空き家の対策につきましては、早期解消を図るべく、財産管理人制度を活用し、除却を効率的に進めるほか、空き家を解体する所有者への補助金を拡充し、早期除却を促します。

 

○道路整備について

 県道整備につきましては、網代港岩美停車場線における田後地内の橋梁新設工事が令和8年に完成予定であり、交通の難所でありました箇所が一つ解消されることとなります。

 また、落石の影響により一部区間を全面通行止めにしている町道陸上中央線の早期復旧に向けた工事を引き続き予定しております。

 このほか、橋梁補修工事や、老朽化した消雪施設の更新工事などを計画しており、引き続き、安全で快適な道路環境の整備に取り組みます。

 

○公共交通について

 公共交通は、全国的に自家用車の普及や人口減少による利用者の減少に加え、ドライバー不足の深刻化により運行形態や運行規模の見直しが求められています。

 町営バスにつきましては、車両1台を乗り降りがしやすいノンステップバスに更新しますとともに、利用状況や利用者の声を基に、利便性の向上や運行の効率化に向けた検討を行います。

 公共交通の利用促進としましては、JR山陰本線(岩美町内の駅から豊岡駅間又は青谷駅間)の運賃補助等を2人以上の旅行に拡充しますとともに、特急はまかぜの運賃及び特急料金の助成を創設します。また、引き続き民間路線バス利用者の定期券・回数券の購入助成を行います。

 

○上・下水道事業について

 上水道事業につきましては、岩井水源の更新に向けて基本設計を行うほか、引き続き、町道岩本浦富線の配水管布設替工事を予定しており、安全で安心な水道水を安定して供給するため施設更新及び管路の耐震化を計画的に進めます。

 下水道事業につきましては、河崎地内の一部を下水道接続する実施設計を行うほか、浄化センターやマンホールポンプの機械・電気設備の更新を進め、施設全体の保全や長寿命化及び財政負担の平準化に取り組み、持続的で安定的な下水道経営に努めます。

 

○移住定住・住環境対策について

 移住・定住施策として実施している新築・リフォーム助成につきましては、高騰する建築・リフォーム費用への対応と高齢化が進む小規模集落の維持・活性化を目的として、助成制度の拡充を行います。また、中古住宅の購入費助成につきましては、子育て・若者世帯等に該当されない世帯も対象に拡充するとともに、空き家バンク登録物件を購入して町外から移住される方への補助制度を創設します。

 産業や地域活性化等の役割を担い、地域おこし協力隊として移住される方への新たな支援としまして、応募の促進と採用後のミスマッチを防ぐため、地域での生活や活動等を短期間で事前に体験できる「おためし協力隊」及び「協力隊インターン制度」を導入し、日々の活動や卒業後の進路等に対する相談体制を充実します。

 また、人口減少の大きな要因となっている少子化問題は、未婚率が高くなっていることが要因として考えられることから、新たに結婚相談業務を行う町内民間事業者と提携し、結婚を希望する方への婚活支援を行います。

 

〇商工業振興について

 商工施策におきましては、物価高騰や人手不足などの厳しい経営環境が続く中、引き続き、中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化を支援します。本年度は、これまでの事業継続支援に加え、賃上げに取り組みながら生産性向上を目指す事業者への補助制度を設け支援を強化します。

 また、新規学卒者と移住者の地元雇用を促進するため、新規高卒者等を雇用した事業者への補助金につきまして、対象者を大卒者等に拡充しますとともに、UIJターンによる移住者も対象とし、地域産業を支える人材の確保に努めます。さらに、若者の活躍と定住を応援するため、35歳未満の方の創・開業に対する補助金の上限額を拡充します。

 事業承継につきましては、相談案件の具体化に向け、関係機関と一丸となった伴走型支援を推進します。

 ふるさと納税につきましては、国の募集基準の厳格化への対応として、町内での加工品の開発や既存製品の生産拡大等が課題となっております。その課題の解決に向け、クラウドファンディング型ふるさと納税の活用により、設備投資などに必要となる資金を支援し、地場産品の付加価値を高めることで、岩美町の魅力を全国に発信し、寄附金額の確保と地域産業の活性化に努めます。

 

〇観光振興について

 本町がロケ参考地となっているアニメ「Free!」の公式イベントが、昨年に引き続き、今年も実施される予定です。より多くのファンに岩美町を楽しんでいただけるよう、イベントに合わせて地域と一体となって盛り上げるよう様々な企画を行います。

 また、観光協会の体制強化を図るため、収益事業の拡大に向けた企画提案や、アニメを活用した企画開発等を行う地域おこし協力隊を募集します。

 山陰海岸ジオパークにつきましては、令和6年度にユネスコ世界ジオパークの再認定がなされ、次期再認定審査が令和10年度に予定されていることから、山陰海岸ジオパークを活用した取組みを行う事業者への支援を継続するとともに、山陰海岸ジオパーク推進協議会をはじめとする関係機関と連携し、ジオパークのPRや利活用、保護保全に努めます。

 

〇農業振興について

 農業を取り巻く情勢は、高齢化及び後継者不足による農業者の減少、シカ・イノシシ等による農作物被害、資材・肥料価格の高騰や人件費の増加などによる生産コストの上昇が続いており、依然として厳しい状況にあります。

 担い手確保対策として、引き続き、地域おこし協力隊の募集を行い、新規就農者の育成や農業法人における後継者の確保等を支援し、担い手の確保・育成に努めます。

 農地の保全につきましては、「多面的機能支払交付金」及び「中山間地域等直接支払交付金」を活用して地域共同による農地の維持管理を進めますとともに、地域計画に基づく担い手への農地の集積、集約を進めます。

 また、全国的に問題となっているクマ出没にかかる対策としまして、クマを人里へ誘引する、収穫されない柿や栗などの放任果樹伐採への支援等を新たに実施しますとともに、有害鳥獣対策として、捕獲奨励金の交付による有害鳥獣の捕獲促進や檻や柵の設置支援による被害防止対策などを継続して行います。

 

〇水産業振興について

 水産業を取り巻く環境は、慢性的な担い手不足に加え、近年の急激な海水温の上昇等による水産資源の減少など、依然として厳しい状況にあります。

引き続き、新規就業者確保対策や沿岸漁業者の漁船取得への支援などの取り組みを実施しますとともに、水産物の安定供給を図るため、稚貝稚魚の放流、藻場の管理や陸上養殖に対する支援を行い、持続可能な水産業の振興に努めます。

 また、海業としてダイバー向け体験ツアーの企画や地元海産物の紹介、試食提供などを実施する事業者を支援し、新たな地域のにぎわいを創出することで、交流人口の増加や水産業の振興を中心とした地域活性化に取り組みます。

 

〇行財政運営について

 効率的な行政運営を図るため本町の基幹情報システムを国が定める標準仕様へ令和7年10月に移行しました。情報システムの活用で町民の皆様の利便性を更に高めるため、窓口での手続きの際に、マイナンバーカード等の読み取りによって申請書の手書きを不要とするなど、窓口手続きにおけるデジタル化に取り組みます。

 財政運営では、人口減少に伴い、厳しい財政状況へ変化していくことが想定されます。

補助制度の有効活用や費用対効果の検証による事業の見直しなどに努め、次世代へ過度な負担を強いることがないよう、持続的な行財政運営に取り組みます。