おたふくかぜ予防接種・病気の説明とワクチン
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによる感染症で、2~3週間の潜伏期の後に、両方またはどちらかの耳下腺がはれてきます。触ってもはっきりしたしこりに触れるわけではありませんが、家族など周囲の人が見るとはれているのに気がつきます。しばらくすると反対側もはれてきます。発熱は起こることも、起こらないこともあります。症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。またおたふくかぜ以外でも、耳下腺が腫れることもあります。周りでおたふくかぜが流行しているかどうかも診断の助けになります。
 おたふくかぜには多くの合併症があります。
 無菌性髄膜炎が約50人に1人の割合で起こります。これを発症すると強い頭痛を訴え、嘔吐することもあります。
 一生治らない重度の難聴になることがあります。約1,000人に1人の割合で、年間700人くらいがかかっていると推定されています。
 脳炎が毎年約30人に起こっていて、障害が残ったり死亡したりすることもあります。

おたふくかぜワクチンについて
 接種して2~3週間後に熱が出たり、耳下腺がはれたりすることがまれにありますが、自然に治ります。
 数千人に1人の割合で、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)になることがあります。これは、接種後16日前後で、発熱や嘔吐、不機嫌が続いたら受診してください。ただし、無菌性髄膜炎の発生率は接種しないで自然感染(100人に1~2人)するよりもずっと低く、重症にもなりにくいものです。
 また、大変まれですが、ワクチンでも脳炎を起こすことがあることが最近分かりました。ワクチンの価値はあくまでも自然にかかったときとの比較です。自然のおたふくかぜの脳炎(毎年約30人)に比べて、まれで、症状も軽いので、ワクチン接種が勧められます。

予防接種を受けたあとの注意事項について
 予防接種を受けたあと30分間は、接種医療機関でお子さまの様子を観察するか、先生とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。急な副反応はこの間におこることがあります。
 接種後、24時間は副反応の出現に注意しましょう。
 入浴は差し支えありませんが、わざと注射した部位をこすることはやめましょう。
 接種当日はいつも通りの生活で差し支えありませんが、はげしい運動はさけましょう。

◇任意接種の町独自制度について◇
町では、任意接種(ロタウイルスやおたふくかぜ)の予防接種費の一部助成を行っています。