結核(BCG)予防接種・病気の説明とワクチン
 結核とは、結核菌の感染で起こります。わが国の結核患者はかなり減少しましたが、まだ2万人を超える患者が毎年発生しており、大人から子どもへ感染することも少なくありません。また、結核に対する抵抗力(免疫)はお母さんからもらうことができないので、生まれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いので、全身性の結核症にかかったり、結核性髄膜炎になることもあり、重い後遺症を残す可能性があります。

BCGワクチン(生ワクチン)
 BCGは牛型結核菌を弱毒化してつくったワクチンです。
 BCGの接種方法は、管針法といってスタンプ方式で上腕の2か所に押しつけて接種します。それ以外の場所に接種するとケロイドなどの副反応が出る可能性が高くなるので、絶対に避けなければなりません。接種したところは、日陰で乾燥させてください。10分程度で乾きます。

副反応について
 接種後10日後に接種局所に赤いポツポツができ、一部に小さいうみができることがあります。この反応は、接種後4週間頃に最も強くなりますが、その後は、かさぶたができて接種後3か月までには治り、小さな傷あとが残るだけになります。これは異常反応ではなく、BCG接種により抵抗力(免疫)がついた証拠です。包帯をしたり、バンソウコウをはったりしないで、そのまま清潔に保ってください。ただし、接種後3か月を過ぎても接種のあとがジクジクしているようなときは医師に相談してください。
副反応としては、接種をした側のわきの下のリンパ節がまれに腫れることがあります。通常、放置して様子をみてかまいませんが、ときにただれたり、大変大きく腫れたり、まれに化膿して自然にやぶれてうみが出ることがあります。このようなときは医師に相談してください。
 また、お子さんが接種前に結核菌に感染している場合は、接種後10日以内にコッホ現象(接種局所の発赤・腫脹(はれ)、接種局所の化膿等を来たし、通常2週間から4週間後に消炎、瘢痕化し、治癒する一連の反応)が起こることがあります。通常の副反応における接種局所の様相の発現時期(おおむね10日前後)と異なり、接種後数日間のうちの早い段階で発現します。コッホ現象と思われる反応がお子さんに見られた場合は、すみやかに健康対策課に相談するか医療機関で受診してください。この場合、お子さんに結核をうつした可能性のある家族のかたも医療機関を受診してください。

予防接種を受けたあとの注意事項
 予防接種を受けたあと30分間は、接種会場でお子さんの様子を観察するか、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。急な副反応はこの間に起こることがあります。
 BCGワクチンは生ワクチンです。接種後、生ワクチンでは4週間は副反応の出現に注意しましょう。
 接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は差し支えありませんが、わざと接種部位をこすることはやめましょう。
 接種当日は、はげしい運動はさけましょう。