◆◆岩美町の水産業◆◆
 岩美町の日本海に面する東西約15kmのリアス式海岸は『浦富海岸』と呼ばれ、「山陰海岸国立公園」に指定されており、世界ジオパークネットワークに加盟した「山陰海岸ジオパーク」の一部でもある。
 この海岸線沿いには、4浜(網代、田後、浦富、東浜)の漁村があり、それぞれ異なる歴史や伝統を持ち、漁法や対象魚種なども異なっている。
 町の基幹産業である水産業の中核をなすのは、沖合底びき網漁業であり、網代漁港、田後港を母港とする沖底船は16隻が操業しており、漁獲量日本一の『松葉がに(ズワイガニ)』をはじめ、『アカガレイ』、『白ハタ(ハタハタ)』、『ババちゃん(タナカゲンゲ)』、『モサエビ(クロザコエビ)』など、鳥取県を代表する魚を漁獲している。
 沿岸漁業では、網代・田後のイカ釣り、浦富の小型定置網漁業が中心であり、各浜に船外機船による一本釣り、磯見を行う漁業者が多い。
 山陰地方の夏の味覚である『白いか(ケンサキイカ)』、『イワガキ』や定置網漁による『マアジ』、『ハマチ』、『サワラ』など多種の魚を漁獲している。

岩美の漁村

◆岩美町の漁業の主な漁法

沖合底びき網漁業(1艘びき)
 県内では、岩美町、鳥取市、境港市が漁業基地になっています。漁獲する魚は生息域が異なるため、時期により魚を選びながら操業しています。
○漁  期 9月~翌年5月
○経営対数 網代10、田後6
○漁船の大きさ 70~120t
○乗組員数 8~10名
○航海日数 2~5日
○主な漁場 鳥取県沖、隠岐島周辺
○主な魚種 松葉がに、アカガレイ、
      モサエビ、白ハタ
沖合底びき網漁業
■いか釣り漁業
 日暮れ前に出港し、翌朝までには操業が終わる。皆さんがご存知の漁り火はこの いか釣り漁船の灯りです。
○漁  期 周年
○漁船の大きさ 主に10tクラス
○乗組員数 1~2名
○主な漁場 鳥取県沖
○主な魚種 白イカ、スルメイカ


■小型定置網漁業
 岩美町の岬周辺の海域に魚群の進路を遮るように、海底に垣状の縦網を張り魚をその先に設置した囲い網に誘導して漁獲します。
○漁  期 周年
○漁船の大きさ 約8t
○乗組員数 8名
○主な漁場 沿岸水深27m以浅
○主な魚種 ハマチ、ブリ、アジ、サワラ

■採貝・採藻漁業
 1人乗りの小船をあやつり、沿岸の水深の浅い磯場で「かま」「かぎ」などを使い磯見鏡で水中を覗き、サザエ、岩ガキ、ワカメ等を獲ります。

 

◆漁業協同組合の水産物加工への取り組み

 町内の漁業協同組合では、水産物の付加価値をより高め魚価向上へつなげるため、加工に取り組んでいます。

田後漁業協同組合では、多様な加工品開発に取り組んでいるほか、鳥取県漁業協同組合網代港支所ではアカモク

を塩蔵加工するなど未利用資源の活用に取り組んでいます。

    

      ○田後漁協の水産加工品             ○県漁協網代港支所のアカモク