○岩美町職員の懲戒処分等の基準に関する規程
平成23年10月1日
訓令第8号
(目的)
第1条 この訓令は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第29条第1項の規定に基づく職員の懲戒処分について、その基準に関する事項を定め、もって懲戒処分の公正を確保することを目的とする。
(適用等)
第2条 この訓令は、代表的な懲戒処分の事由を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の処分量定を掲げたものであり、地方公務員法に定める一般職の職員(臨時的任用職員を除く。以下「職員」という。)に適用するものとする。
(懲戒処分等の基準等)
第3条 懲戒処分等の標準例については、次のとおりとする。
(1) 一般服務関係
非違行為の種類 | 懲戒処分 | |
欠勤 | 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員 | 減給又は戒告 |
正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員 | 停職又は減給 | |
正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員 | 免職又は停職 | |
遅刻・早退 | 勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員 | 戒告 |
勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱、又は私的な行為を繰り返すなどして職務を怠った職員 | 減給又は戒告 |
職場内秩序びん乱 | 暴行により職場の秩序を乱した職員 | 停職又は減給 |
暴言により職場の秩序を乱した職員 | 減給又は戒告 | |
営利企業等の従事 | 許可なく営利企業等に従事した職員 | 減給又は戒告 |
違法な職員団体活動 | 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業及び怠業その他の争議行為をなし、又は町の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員 | 減給又は戒告 |
地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員 | 免職又は停職 | |
秘密漏えい | 故意又は重大な過失により職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を与え又は町民等に重大な損害若しくは不利益等を与えた職員 | 免職又は停職 |
過失により職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に支障を与え又は町民等に損害若しくは不利益等を与えた職員 | 減給又は戒告 | |
政治的目的を有する文書の配布 | 地方公務員法第36条第2項に違反して政治的目的を有する文書を配布した職員 | 戒告 |
コンピュータの不適正利用 | 職場のコンピュータを職務外の目的で不適正に使用し、又は情報資産等を故意に破壊、改ざんした職員 | 停職、減給又は戒告 |
公文書の不適正な取扱い | 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員 | 免職又は停職 |
決裁文書を改ざんした職員 | 免職又は停職 | |
公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って破棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員 | 停職、減給又は戒告 | |
セクシュアル・ハラスメント | 暴行・脅迫又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることによりわいせつな行為をした職員 | 免職又は停職 |
相手の意に反することを認識した上で、わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返した職員 | 停職又は減給 | |
上記の言動により相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したとき | 免職又は停職 | |
相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員 | 減給又は戒告 | |
上記の言動により相手が強度の心的ストレスによる精神疾患に罹患したとき | 停職又は減給 | |
パワーハラスメント | 職務上の地位、権限などを背景として、いじめや嫌がらせなど人権の侵害にあたる行為を行った職員 | 停職又は減給 |
上記の言動を繰り返したことにより相手が強度のストレスの重積による精神疾患に罹患したとき | 免職又は停職 | |
不適正な申請、報告等 | 事実をねつ造して虚偽の休暇等の申請又は報告を行い、又は必要な報告等を故意に行わなかった職員 | 減給又は戒告 |
(2) 公金公物取扱い関係
非違行為の種類 | 懲戒処分 | |
横領 | 公金又は公物を横領した職員 | 免職 |
窃取 | 公金又は公物を窃取した職員 | 免職 |
詐欺 | 人を欺いて公金又は公物を交付させた職員 | 免職 |
紛失 | 公金又は公物を紛失した職員 | 戒告 |
盗難 | 重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った職員 | 戒告 |
公物損壊 | 故意に職場において公物を損壊した職員 | 減給又は戒告 |
出火 | 過失により職場において公物の出火を引き起こした職員 | 減給又は戒告 |
諸給与の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の申請をするなどして諸給与を不正に受給した職員 | 減給又は戒告 |
公金公物処理不適正 | 公金又は公物の不適正な処理をした職員 | 減給又は戒告 |
(3) 職務遂行関係
非違行為の種類 | 懲戒処分 | |
汚職 | 職務の遂行に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした職員 | 免職 |
法令等違反 | 職務の遂行に関し、法律、条例、規則、訓令、内訓、要綱及び要領並びに通知(以下「法令等」という。)に明らかに違反し、又は法令等の適用・解釈を著しく誤ったことにより、町又は町民等へ損害、不利益等を与えた職員 | 停職、減給又は戒告 |
職務怠慢等 | 職務の遂行に関し、その遂行を著しく長期間放置し、若しくは上司に報告義務等があるにもかかわらずそれを怠り、又は関係事業者等に対し明らかに誤った指示を与え、若しくは確認等を怠ったことにより、町又は町民等へ損害、不利益等を与えた職員 | 減給又は戒告 |
監督責任 | 職務の遂行に関し、部下職員が町又は町民等へ損害、不利益等を与える等した場合で、部下職員等に対する通常行うべき指導、監督、進行管理、確認等を怠った職員 | 減給又は戒告 |
部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員 | 停職又は減給 |
(4) 公務外非行関係
非違行為の種類 | 懲戒処分 | |
殺人 | 人を殺した職員 | 免職 |
傷害(交通事故に係るものを除く。) | 人の身体を傷害した職員 | 停職又は減給 |
暴行 | 暴行を加えた職員が人を傷害するに至らなかったとき | 減給又は戒告 |
わいせつ行為等 | わいせつな行為(青少年(18歳未満の者をいう。)に対するみだらな行為を含む。)をした職員 | 免職、停職又は減給 |
ストーカー行為(同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること)をした職員 | 停職又は減給 | |
相手の意に反することを認識の上で、職員以外の者にわいせつな言辞等の性的な言動を行った職員 | 減給又は戒告 | |
横領 | 自己の占有する他人の物(公金又は公物を除く。)を横領した職員 | 免職又は停職 |
窃盗・強盗 | 他人の財物を窃取した職員 | 免職又は停職 |
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員 | 免職 | |
詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員 | 免職又は停職 |
放火 | 放火をした職員 | 免職 |
器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した職員 | 減給又は戒告 |
酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴を言動をした職員 | 減給又は戒告 |
賭博 | 賭博をした職員 | 減給又は戒告 |
常習として賭博をした職員 | 停職 | |
麻薬・覚せい剤等の所持又は使用 | 麻薬・覚せい剤等を所持又は使用した職員 | 免職 |
(5) 交通事故・交通法規違反関係
事故の程度 法令違反の態様 | 人的損害 | 物的損害 | 自損のみ | 無損傷 | ||||
相手方死亡 | 相手方重傷 | 相手方軽傷 | 相手方の財産に著しい損害を与えた場合 | 相手方の財産に損害を与えた場合 | ||||
酒酔い運転(法65条) | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | |
酒気帯び運転(法65条) | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | 免職又は停職 | 免職又は停職 | |
飲酒運転容認(法65条) | 免職又は停職 | 免職又は停職 | 免職又は停職 | 免職又は停職 | 免職又は停職 | 免職又は停職 | 免職又は停職 | |
無免許運転(法64条) | 免職 | 免職 | 免職 | 免職 | 停職 | 停職 | 停職 | |
ひき逃げ(法72条) | 免職 | 免職 | 停職 | |||||
あて逃げ(法72条) | 重過失 | 停職 | 停職 | |||||
過失 | 減給 | 減給 | ||||||
上記以外の法令違反 | 重過失 | 停職 | 停職 | 減給 | 減給 | 戒告 | ★戒告 | ★戒告 |
過失 | 停職 | 減給 | 戒告 | 戒告 | 訓告 | ★訓告 | ★訓告 | |
備考 1 「死亡」とは、即死又は事故後24時間以内の死亡をいう。 2 「重傷」とは、30日以上の入院治療を要すると診断された障害(事故後24時間経過後に死亡した場合を含む。)をいう。 3 「著しい損害」とは、損害見積額が100万円以上のものをいう。 4 「免職」に該当する場合において、情状酌量すべき余地がある場合は、「諭旨退職」とすることができる。 5 上記以外の法令違反中「自損のみ」、「無損傷」は免許停止処分の場合とする。(★印) 6 酒気帯び運転の停職は、前日に飲酒した場合など、一般的に酒酔いが醒めたと判断し得る程度の時間が経過している状況において酒気帯び運転で検挙された場合又はその他故意によるものとは認め難い場合に限定して適用する。 7 飲酒運転容認とは、飲酒の事実を知りながら同乗した場合又は運転することを知りながら酒類を提供し、若しくは飲酒を勧めた場合とする。また、事後の隠蔽に関与した場合も同様とする。 |
(1) 職員の非違行為の態様が極めて悪質であるとき。
(2) 職員の非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。
(3) 職員の非違行為が故意又は重大な過失と認められるとき。
(4) 職員が管理又は監督の地位にあるなど職責の度合いが特に重いとき。
(5) 職員の非違行為に該当する行為を行ったことを理由として過去に懲戒処分を受けたことがあるとき。
(1) 職員の日頃の勤務態度が極めて良好であるとき。
(2) 職員の非違行為が軽微な過失であると認められるとき。
(3) 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出るなど非違行為に対するその後の対応に誠意があると認められるとき。
(4) 職員の非違行為の程度が軽微である等の特別の事情があるとき。
(懲戒処分としない場合の取扱い)
第7条 職員の行為が第3条に掲げる非違行為の種類に該当する場合であって、当該職員が行った当該非違行為の態様等に照らし、懲戒処分を行わないことに相当の理由があると認められるとき(原則として当該非違行為に応じた同表に掲げる標準的な懲戒処分に戒告が含まれているときに限る。)は、懲戒処分に至らない訓告又は厳重注意の処分を行うこと、若しくは処分を行わないことができる。
(第3条に掲げられていない行為の取扱い)
第8条 職員の行為が非違行為に該当する場合であって、第3条に掲げる非違行為の種類に該当すしないときは、当該行為に類似する非違行為に応じた懲戒処分に準じて当該非違行為に応じた懲戒処分を行うものとする。
(委任)
第9条 この訓令に定めるもののほか、職員の懲戒処分に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成23年10月1日から施行する。
(交通事故等を起こした職員の懲戒処分等に関する規程の廃止)
2 交通事故等を起こした職員の懲戒処分等に関する規程(平成14年岩美町訓令第16号)は、廃止する。
附則(平成29年4月1日訓令第2号)
この訓令は、公布の日から施行する。
附則(令和元年9月19日訓令第6号)
この訓令は、令和元年10月1日から施行する。