○岩美町空家等の適切な管理に関する条例

平成29年3月23日

条例第3号

(目的)

第1条 この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)の趣旨に基づき、町内に所在する空家等の適切な管理に関し必要な事項を定めることにより、適切な管理が行われない空家等の発生を未然に防止し、町民の良好な生活環境の保全並びに安全で安心なまちづくりを行うことを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例によるほか、次の各号に定めるところによる。

(1) 空家等 建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む)をいう。

(2) 特定空家等 次に掲げる状態にある空家等をいう。

 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

 著しく衛生上有害となるおそれのある状態

 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

 その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

(3) 所有者等 空家等を所有する者又は管理する者をいう。

(4) 町民 町内に居住している者及び町内に滞在(通勤又は通学を含む。)している者をいう。

(所有者等の責務)

第3条 空家等の所有者等は、周辺の防災、衛生、景観上等の町民の生活環境に悪影響を及ぼさないよう空家等の適切な管理に努めるものとする。

(町民の責務)

第4条 町民は、適正な管理がされていないと推測される空家等を発見したときは、速やかに町にその情報を提供するよう努めるものとする。

(空家等対策計画)

第5条 町長は、法第6条の規定に基づき、空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、空家等対策計画を策定する。

2 空家等対策計画においては、次に掲げる事項を定める。

(1) 空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針

(2) 計画期間

(3) 空家等の調査に関する事項

(4) 所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項

(5) 空家等及び除却した空家等に係る跡地(以下「空家等の跡地」という。)の活用の促進に関する事項

(6) 特定空家等に対する措置(法第14条第1項の規定による助言若しくは指導、同条第2項の規定による勧告、同条第3項の規定による命令又は同条第9項若しくは第10項の規定による代執行をいう。以下同じ。)その他の特定空家等への対処に関する事項

(7) 町民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項

(8) 空家等に関する対策の実施体制に関する事項

(9) その他空家等に関する対策の実施に関し必要な事項

(空家等対策協議会)

第6条 町長は、法第7条の規定に基づき、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する協議を行うため、岩美町空家等対策協議会(以下、「協議会」という。)を設置する。

2 協議会は、町長のほか、町民等、学識経験者、その他町長が必要と認める者をもって構成する。

3 前2項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は別に定める。

(立入調査等)

第7条 町長は、法第9条第1項の規定に基づき、町内にある空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関し必要な調査を行うことができる。

2 町長は、法第9条第2項の規定に基づき、第10条から第12条の規定の施行に必要な限度において、その委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って調査させることができる。

(空家等の所有者等に関する情報の利用等)

第8条 町長は、法第10条第1項の規定に基づき、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって、氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、その保有にあたって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。

2 前項に定めるもののほか、町長は、法第10条第3項の規定に基づき、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関し必要な情報を求めることができる。

(空家等の台帳)

第9条 町長は、法第11条の規定に基づき、空家等に関する情報を適切に管理するため、空家台帳を作成するものとする。

(助言、指導)

第10条 町長は、法第14条第1項の規定に基づき、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるよう助言又は指導をすることができる。

(勧告)

第11条 町長は、法第14条第2項の規定に基づき、前条の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

(命令)

第12条 町長は、法第14条第3項の規定に基づき、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。

2 町長は、法第14条第4項の規定に基づき、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えるものとする。

3 前項の通知書の交付を受けた者は、法第14条第5項の規定に基づき、その交付を受けた日から5日以内に、町長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

4 町長は、法第14条第6項の規定に基づき、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第1項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行うものとする。

5 町長は、法第14条第7項の規定に基づき、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第1項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを告示するものとする。

6 第4項に規定する者は、法第14条第8項の規定に基づき、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

7 第1項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて第10条の助言若しくは指導又は第11条の勧告が行われるべき者を確知することができないため第1項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、町長は、法第14条第10項の規定に基づき、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、町長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ告示するものとする。

8 町長は、法第14条第11項の規定に基づき、第1項の規定による命令をした場合においては、標識の設置、町の広報誌及びホームページへの掲載等により、その旨を告示するものとする。

9 前項の標識は、第1項の規定による命令に係る特定空家等に設置することができる。この場合においては、当該特定空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

(行政代執行)

第13条 町長は、第12条の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

(関係機関との連携)

第14条 町長は、空家等の対策の実施に関し、特に必要があると認めるときは、町の区域を管轄する警察署その他の関係機関に協力を求めることができる。

(助成措置)

第15条 町長は、第10条の規定により助言又は指導の対象となった特定空家等の所有者等が行う当該特定空家等の除却等に必要な費用に対し助成することができる。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

岩美町空家等の適切な管理に関する条例

平成29年3月23日 条例第3号

(平成29年4月1日施行)